
新年度を迎えるにあたりお子さまの入学準備は楽しみである一方、経済的な負担も大きくなります。特にランドセルは5万円〜7万円が相場とされ、家庭にとって決して安い買い物ではありません。
全国の各自治体では、経済的に困難な家庭を対象に「就学援助制度」を設け、ランドセル購入に活用できる「入学準備金」の支給を行っています。
※支給要件は自治体によって異なります。
本記事では、子どもの小学校入学時に活用できる「ランドセル購入費用」の補助制度について解説していきます。
ランドセルの補助金として活用できる「就学援助制度」とは?

就学援助制度とは、経済的な理由で学用品の購入が困難な家庭を支援する制度です。義務教育は無償化されていますが、ランドセルや学用品、給食費、修学旅行費など、多くの費用が実際には家庭の負担となっています。
そうした負担を軽減し、すべての子どもが平等に教育を受けられるように、自治体が設けた制度が、「就学援助制度」です。
特にランドセルは、小学校入学時に必要となるアイテムでありながら、相場は5万円〜7万円と高額です。そのため、自治体によっては「入学準備金」「新入学児童生徒学用品費」などの名目で、ランドセル購入費用を補助する制度を実施しています。
就学援助制度の対象者は?
この補助金を受けられる家庭は、自治体ごとに異なりますが、一般的に以下の条件を満たしている必要があります。
- 生活保護を受けている方
- 経済的に困難な状況にある世帯(生活保護は受給していないが、同程度に困窮していると認められた家庭)
「経済的に困難な状況」とは、自治体が定める所得基準以下の世帯を指し、多くの場合、住民税の非課税世帯や児童扶養手当受給世帯が該当します。例えば、名古屋市の場合、2人世帯で321万9千円以下、4人世帯で417万9千円以下の所得基準が設定されています。
補助額の例
補助額に関しても自治体によって異なります。下記、主要な自治体の補助額について記載します。
- 名古屋市:57,060円
- 大阪市:57,060円
- 横浜市:63,100円
- 東京都墨田区:54,060円
補助額も自治体によって異なるため注意しましょう。
〇参考
名古屋市:https://www.city.nagoya.jp/kyoiku/page/0000051014.html
大阪市:https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/page/0000495254.html
横浜市:https://www.city.yokohama.lg.jp/kosodate-kyoiku/kyoiku/soudan/shugakuenjo/shugakuenjo.html
東京都墨田区:https://www.city.sumida.lg.jp/kosodate_kyouiku/kyouiku/school/syuugaku_enjo/nyuugakujyunnbikinn.html
就学援助制度の「入学準備金」はランドセル以外にも使える?

就学援助制度で支給される「入学準備金」は、ランドセルの購入だけに限定されているわけではありません。制度の目的は入学に必要な学用品をそろえる家庭の負担を軽減することであるため、幅広い入学準備費用に充てることができます。
つまり、ランドセルをすでに購入済みの場合や、別の必需品の購入に補助金を回したい場合でも、制度内で認められていれば問題なく活用できます。
入学準備金でカバーできる代表的な費用としては、筆箱やノート、鉛筆などの文房具類、算数セット、体育着や上履きなどの衣類・学校指定用品が挙げられます。また、通学用のバッグや防犯ブザーなど、安全面に関わるアイテムも対象として扱われることが多く、入学までに必要となる幅広い用品の購入に利用できる点が大きなメリットです。
しかし、支給額や対象となる品目の詳細は自治体によって異なり、ランドセルの購入費用を重点的に補助する自治体もあれば、入学準備金としてまとめて支給し家庭の裁量に任せる自治体もあります。購入後に申請する形式の場合は、領収書の提出を求められるケースもあるため、必要な書類は必ず保管しておくことが大切です。
ランドセル購入と就学援助制度のタイミングはどう調整すべき?
ランドセル購入と就学援助制度(入学準備金)のタイミングは、家庭の負担を最小限に抑える上でとても重要です。特にランドセルは5万円〜7万円と高額であり、人気モデルは早期に売り切れてしまうため、「いつ買うべきか」「補助金はいつ支給されるのか」を事前に把握しておく必要があります。
まず押さえておきたいのは、就学援助制度の入学準備金は、申請から支給まで数ヶ月の期間が必要であるという点です。多くの自治体では、申請は入学前の秋〜冬(例:9月〜12月頃)に行い、支給は入学直前の2月〜3月に実施されます。つまり、ランドセルは補助金の受給前に購入し、後から支給を受ける形になることが一般的です。
そのため、人気モデルや希望のカラーを確実に購入したい場合は、支給を待たずに通常どおり5月〜8月頃のピーク時期に購入するのが安心です。就学援助制度は後払いのような仕組みで利用できるため、「補助金をもらってから買うつもりだったら売り切れてしまった」という事態を避けられます。
一方で、コストをできるだけ抑えたい家庭の場合は、9月以降のアウトレットセールや型落ちセールを狙うという選択肢もあります。補助金の支給タイミングとも近いため、出費の負担を減らしながら購入できるメリットがあります。ただし、選べる色やモデルが限られるため、こだわりが強い場合には不向きです。
また、自治体によっては「購入後に領収書を提出する方式」のため、購入時期は制度利用に影響しません。逆に「申請前に購入したものは対象外」としている自治体もあるため、事前に必ず確認することが重要です。
就学援助制度の申請方法

ランドセルの購入費用を補助する就学援助制度を利用するには、事前に申請が必要です。申請の流れと具体的な時期について解説します。
申請の流れ
小学校または自治体から「就学援助制度」のお知らせを受け取る
入学前に、自治体または通学予定の小学校から制度の詳細が通知されます。就学時健康診断の際に小学校で配布される場合等もあれば、小学校からは何も通知されず、ご自身で自治体に行って確認しなければいけないパターンもあります。そのため、小学校やお住まいの自治体にご自身で確認するようにしてください。
申請書を入手し、必要書類を準備(所得証明書、申請書など)
所得証明書、申請書などの書類を準備します。必要な証明書は認定区分によって異なります。
例えば、生活保護を受けている方は証明書類は必要ない場合が多いですが、生活保護を受けておらず経済的にお困りの方は、世帯全員分の総所得金額がわかる証明書等が必要になります。
詳細な必要書類は、自治体の公式サイトで確認可能です。
学校または自治体窓口に申請書類を提出
申請書類を揃えたら、指定の提出先へ期限内に提出します。提出期限についても自治体によって異なりますが、令和6年度の名古屋市を例にとると、9月末までが入学予定の学校への提出期限となっています。
審査後、認定されれば補助金が支給される(通常は2月〜3月頃)
不備なく申請が受付されれば補助金が支給されます。名古屋市の場合、入学準備金は2月(入学後に支給を受ける場合は6月)に支給となります。
補助金の支給を受ける際の注意点

補助金支給を検討する場合は、注意すべきいくつかのポイントがあります。
申請期限を十分に確認する
お住まいの自治体における、就学援助制度の申請期限に関しては事前に十分に確認しておきましょう。申請期限を過ぎると、要件を満たしていたとしても補助金を受け取れない可能性があります。
また、逆に申請期限経過後も随時申請を受け付けている自治体もあるため、このあたりもお住まいの自治体によく確認するようにしましょう。
領収書の保管
補助金が支給される場合は、補助額を上限として購入した実費が支給されます。そのため、領収書やレシートの提出が基本的には求められます。
仮に必要が無かったとしても、万が一購入したことを証明するように求められたときの為に、保管しておくようにしましょう。
自治体ごとの違い
再三お伝えしておりますが、補助額や条件は自治体ごとに異なるため、お住まいの地域の制度をしっかり確認することが重要です。
特に引っ越しを控えている方は要注意。引っ越し前と後で制度が異なる場合がございます。
ランドセルを現物支給している自治体も

ランドセルの補助金は、通常「入学準備金」として現金で支給されることが多いですが、自治体によってはランドセルを現物支給するケースもあります。
例えば、愛知県清須市では、小学校に入学する新1年生全員にランドセルを贈呈しています。この制度では、市立小学校に在籍している児童を対象に、入学式当日にランドセル・黄色帽子・防犯ブザーが支給されます。
ただし、清須市のこの制度は市立小学校に通う児童のみが対象で、私立小学校に進学する場合は対象外となります。
このように、ランドセルそのものを支給する自治体もあるため、まずはお住まいの自治体の情報をチェックし、どのような支援が受けられるか確認してみましょう。
ランドセルの補助金に関するよくある質問

ランドセルの補助金に関するよくある質問に回答します。
Q. ランドセルを購入した後で申請しても補助を受けられますか?
多くの自治体では、購入のタイミングにかかわらず、申請が認定されれば後から入学準備金が支給される仕組みになっています。そのため、ランドセルの購入時期が制度利用に影響することは基本的にありません。ただし、自治体によっては「申請前の購入分は対象外」としているケースもあるため、必ず事前に確認しておくことが大切です。
Q. どれくらいの金額が支給されますか?
文部科学省が示す最新の補助基準額(例:57,060円)をもとに、各自治体が支給額を設定しています。例えば、名古屋市・大阪市は57,060円、横浜市は63,100円、墨田区は54,060円など、地域によって差があります。支給額は年度ごとに変更されることもあるため、最新の情報をチェックしましょう。
Q. 補助金はいつ支給されますか?
支給時期は自治体によって異なりますが、一般的には2月〜3月ごろに入学準備金として支給されます。入学後に支給される地域もあるため、「ランドセル購入前に補助金が受け取れる」とは限りません。多くの場合、家庭が先に立て替え購入し、その後補助金が振り込まれる形になります。
Q. 途中で引っ越した場合の補助金はどうなりますか?
引っ越し前後で制度内容・所得基準・支給額が大きく異なる場合があります。申請は原則として在住している自治体で行う必要があるため、転入・転出のタイミングによっては申請期限を逃してしまうことも。引っ越しを予定している家庭は、必ず双方の自治体に確認して調整することが大切です。
まずはお住まいの自治体の情報をチェック

ランドセル購入の補助金は所得制限があるため、全ての家庭が給付を受けられるわけではありません。自治体によってルールが異なるため、まずはお住まいの自治体の情報をチェックするようにしてください。
不明点があれば、入学予定の小学校や管轄の自治体に問い合わせするようにしましょう。


