小学校入学を控えたお子さまがいるご家庭では、新しい生活環境への引っ越しを検討される方も多いのではないでしょうか。

しかし、小学校入学前の引っ越しには多くの手続きや準備が必要なため、どうすれば良いか悩んでいる方もいるでしょう。本記事では、スムーズに引っ越しを進めて小学校に入学するためのポイントを紹介します。

小学校入学前の引っ越しの最適なタイミングはいつ?

小学校入学前の引っ越しを検討する際に、まず考える必要があるのは引っ越しのタイミングです。ここでは、小学校入学前の引越しの最適なタイミングについて解説します。

おすすめの引っ越し時期は入学1年前

おすすめの引っ越し時期は、入学予定年の前年の春から夏にかけてです。この時期であれば、新しい環境に十分慣れる時間があり、地域の幼稚園や保育園を通じて同じ小学校に進学する友達と出会うこともできます。

また、就学時健康診断や入学説明会などの重要な行事にも余裕を持って参加できるため、入学準備を計画的に進められます。通学路の確認や学童保育の申し込みなども落ち着いて行えるでしょう。

卒園と同時に引っ越しをするのもおすすめ

幼稚園や保育園に最後まで通わせてあげたいという場合は、卒園後から入学前の3月中旬から4月上旬に引っ越しをするのもおすすめです。お子さまにとっては区切りが明確になるため、新しい生活への心の準備もしやすいでしょう。

しかし、この時期は引っ越しシーズンのピークでもあり引っ越し業者の予約が取りにくく、費用も高くなりやすいです。入学直前の手続きになるため、慌てないように事前に準備をしておくことが大切です。

やむを得ない事情で引っ越しが決まったら

親御さんの転勤などで、時期を選ばずに引っ越しが決まるケースもあるでしょう。計画的な引っ越しに比べてスケジュールに余裕がなくなりますが、慌てずに一つずつ手続きを進めていきましょう。

特に、幼稚園や保育園の途中、または小学校入学後すぐに転居する場合、お子さまの負担は大きくなりやすいです。他の子どもたちと違うタイミングでの新しいスタートになるため、より一層心のケアが重要となります。新しい環境に前向きになれるよう、お子さまの気持ちに寄り添ってあげてください。

小学校への入学に必要な手続き

小学校に入学するためには、いくつかの手続きを行わなければいけません。引っ越しを行っていると忘れやすいので注意しましょう。ここでは、小学校への入学に必要な手続きを紹介します。

就学時健康診断

就学時健康診断は、入学予定年の前年の10月から11月にかけて実施されます。この健康診断の案内は、その年の9月から10月頃の住民票の住所を基に送付されるため、この時期までに引っ越しを完了していると手続きがスムーズになります。

就学時健康診断では、入学予定のお子さまの健康状態を確認するとともに、保護者向けの学校説明も行われることが多いです。引っ越し前に就学時健康診断を受診した場合でも、その内容は新しい学校に引き継がれるため、重複して受ける必要はありません。しかし、手続きの関係で確認が必要な場合もあるため、引っ越しの予定が決まったら早めに教育委員会に相談しましょう。

入学通知書の受け取り

入学通知書は通常、入学年の1月から2月にかけて住民票の住所宛に送付されます。引っ越し後であれば新しい住所に、引っ越し前であれば現在の住所に届きます。

引っ越しのタイミングによっては、引っ越し前の学区から入学通知書が届く場合もありますが、転入手続きの際に、正しい入学予定校の入学通知書を受け取ることが可能なので安心してください。

引っ越しをする前に必要な準備

引っ越しをする時期が決まったら、早めに準備を進めておかなければいけません。ここでは、引っ越しをする前に必要な準備を時期別に紹介します。

引っ越し3ヶ月前までに行うべき準備

引っ越しの3ヶ月前までには、以下を済ませておきましょう。

  • 引っ越し先の住まい探しと契約
  • 現在の住まいの退去手続き
  • 引っ越し業者の見積もりと予約
  • 現在通っている幼稚園・保育園への報告
  • 引っ越し先の教育委員会への連絡
  • 入学予定校の情報収集

特に3月から4月の繁忙期に引っ越しを行う場合は、引っ越し業者の予約を早めに取ることが重要です。複数の業者から見積もりを取り、サービス内容と費用を比較しましょう。

引っ越し1ヶ月前までに行うべき準備

引っ越し1ヶ月前までに行っておきたい準備は以下の通りです。

  • 住民票の転出手続き
  • 各種公共料金の停止・開始手続き
  • 郵便物の転送手続き
  • 子どもの医療機関からの紹介状取得
  • 学童保育の申し込み
  • 通学用品の準備開始

学童保育は定員が決まっているため、早めの申し込みが大切です。公立の学童保育だけでなく、民間の学童保育や放課後の習い事なども早めに考えておきましょう。

引っ越し後すぐに行うべき手続き

新居に引っ越した後、速やかに行う必要がある手続きは以下の通りです。

  • 住民票の転入手続き
  • 正式な就学通知書の受け取り
  • 入学予定校への連絡と学校見学
  • 通学路の確認と練習
  • 近隣への挨拶
  • 学用品の購入と記名作業

転入手続きは法律により引っ越し後14日以内に行うことが義務付けられています。就学通知書の受け取りもこの手続きと合わせて行えるため、引っ越し後なるべく早く役所に出向きましょう。

お子さまが引っ越しをする際に必要な心のケア

引っ越しは大人にとっても大きな出来事ですが、お子さまへの負担も大きいです。お子さまには引っ越しの理由や新しい生活について、年齢に応じて分かりやすく説明することが大切です。「新しいお家はこんなところだよ」「新しい学校にはこんな楽しいことがあるよ」と、前向きな気持ちで新生活を迎えられるよう工夫しましょう。

また、現在の友達や先生との別れが寂しい気持ちも理解してあげることも重要です。お別れ会を開いたり、連絡を取り続けられる方法を一緒に考えたりして、お子さまの気持ちに寄り添いましょう。

小学校入学と同時の引っ越しの場合、多くの子どもたちが新しい環境でのスタートとなるため、友達づくりはそれほど困難ではありません。むしろ、みんなが同じスタートラインに立っており、自然に友達関係が築かれることが多いようです。地域の習い事を通じて、同世代のお子さまとの接点を作るのも効果的です。

小学校の入学準備で忘れやすいポイント

小学校入学前に引っ越しを行う場合は、バタバタして準備が疎かになりやすいです。ここでは、小学校の入学準備で忘れやすいポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

ランドセル選びは早めに行おう

ランドセルは小学校6年間使用する大切なアイテムです。慌てずにしっかりと考えて選ぶことが大切なので、早めに行動を始めましょう。人気の商品は早期に完売することもあります。お子さまと一緒に時間をかけて、どのランドセルが良いかを考えることが大切です。

学用品の準備は学校確認後に

文房具や学用品は学校によって指定や推奨品が異なるため、必ず入学予定校に確認してから準備しましょう。キャラクター商品の使用可否や、筆箱のタイプ、ノートのマス目の大きさなど、細かな規定がある場合があります。無駄な出費を避けるためにも、事前確認を怠らないようにしましょう。

地域の行事や慣習の把握

新しい地域には独特の行事や慣習がある場合があります。入学後に戸惑わないよう、PTAの活動内容や地域の祭りなどの年間行事について、事前に情報収集しておくことをおすすめします。登下校の見守り活動や子ども会の存在なども確認しておくと、地域コミュニティにスムーズに参加できるでしょう。

小学校入学前の引っ越しに関するよくある質問

小学校入学前の引っ越しに関するよくある質問について回答します。小学校入学前に引っ越しを行う予定がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

Q. 引っ越しが入学式後になっても入学できますか?

入学できます。入学式後の引っ越しでも、適切な手続きを行えば問題なく入学可能です。ただし、数ヶ月後に確実に引っ越す予定がある場合は、教育委員会に相談して学区外通学の許可を得て、最初から引っ越し先の学校に通学する方がお子さまの負担は少なくなります。

Q. 就学時健康診断を受け忘れた場合はどうなりますか?

引っ越し先の学校で個別に健康診断を受けることができます。引っ越し前の学校で受診済みの場合は、その結果が新しい学校に引き継がれるため、重複して受ける必要はありません。心配な場合は教育委員会や入学予定校に確認しましょう。

Q. 学童保育の申し込みが間に合わない場合の対処法はありますか?

公立の学童保育が満員の場合は、民間の学童保育や放課後の習い事、ファミリーサポートなどの代替サービスを検討しましょう。また、キャンセル待ちの登録をしておき、途中入所の機会を逃さないようにすることも大切です。

小学校入学前の引っ越しは計画的に進めることが大切!

小学校入学前の引っ越しは、お子さまにとって人生の節目となる重要な出来事です。計画的に準備を進めて、スムーズに引っ越しを行いましょう。

大切なのは、お子さまの気持ちに寄り添いながら、家族全員で新しい生活に向けた準備を進めることです。引っ越し直前になっても、必要な手続きを着実に行えば入学に間に合うため、焦らずに一つずつ手順を踏んでいきましょう。