
小学校の入学準備の中でも大きな買い物となるランドセル。兄弟姉妹やいとこ、親戚がいるご家庭では、お下がりのランドセルを使うことを検討するケースもあるでしょう。本記事では、お下がりのランドセルを使おうか迷っている方はもちろん、これからランドセル選びを始める方にとっても参考になる情報をご紹介します。
ランドセルのお下がりに対する考え方

ランドセルのお下がりに対する考え方は、時代や家庭によってさまざまです。近年はSDGsへの関心の高まりや物価高の影響もあり、「6年間使用した後にお下がりとして活用する」という選択肢を検討する方も増えています。
しかし、お下がりのランドセルを使うことは推奨されません。ランドセルの機能や耐久性は進化しているものの、あくまで「6年間使うこと」を前提に設計されているためです。長期間使用したランドセルは、見た目以上に劣化していることが少なくありません。肩ベルトや金具の緩み、背あて部分のへたりなど、機能面で使用に支障をきたすケースもあります。
費用を抑えたい場合には、アウトレット品や前年度モデルを選ぶ方が安心で賢明な選択といえるでしょう。
お下がりのランドセルは6年間使用できる?
近年のランドセルは機能性や耐久性が大幅に向上し、6年間使用しても十分に使える状態を保てるケースが増えています。しかし、そのランドセルを「お下がり」としてさらに6年間良い状態で使い続けるのは難しいのが現状です。
その理由のひとつとして、ランドセルに多く使用される人工皮革の寿命が一般的に約10年とされていることが挙げられます。素材そのものの経年劣化により、耐久性や機能性の面で次第に限界が訪れるのです。
人工皮革の具体的な劣化の進み方や注意点については、次章で詳しく解説します。
ランドセルをお下がりにするのが難しい理由
以下のような理由から、ランドセルをお下がりにするのは難しいと言えます。
お子さまが不公平感を抱いてしまう可能性がある
もちろん、お下がりのランドセル自体が悪いということはありません。ただ、新品のランドセルで入学する子どもが多い中で、周囲との違いに不公平感を抱いてしまうケースが考えられる点には留意するべきです。
劣化によるトラブルのリスクが高まる
どれだけ丁寧に扱っても、ランドセルは6年間の使用で少なからず劣化します。特に金具や縫製部分は目に見えない箇所にダメージが蓄積し、使い続けるほど故障のリスクが高まります。そのため、お下がりのランドセルが6年間良好な状態を保つのは難しいといえるでしょう。
加えて注意すべきなのが、主要素材として広く用いられる人工皮革の寿命です。人工皮革は空気中の水分と結合して起こる「加水分解」により、約10年で劣化が進むとされています。この現象が進むと素材が弱まり、ひび割れや剥がれなどの重大なトラブルにつながる恐れがあります。
新品のランドセルを購入する場合の選び方

新品のランドセルを購入することになった場合、後悔のない選択をするために以下のポイントを押さえておくべきです。
長く使える素材と設計を重視する
6年間毎日使うランドセルには、耐久性のある素材と設計が欠かせません。ランドセルの主な素材としては、以下のようなものが挙げられます。
- クラリーノ®:軽量で水に強く、お手入れが簡単
- 牛革:耐久性に優れ、使うほどに味が出てくる
- コードバン:馬の臀部の革で、最高級の素材とされる

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加えて、背負いやすさも重要なポイントです。実際に試着して、お子さまの体型に合ったものを選びましょう。
お子さまの好みを尊重する
ランドセルは6年間使い続ける大切な相棒であるため、親の好みだけで決めるのではなく、お子さまが気に入ったデザインや色を選ぶべきです。いくつかの候補の中から、お子さま自身に選んでもらうことで、責任感や愛着も生まれるでしょう。
とはいえ、学年が上がると共に好みが変わったり、色味やデザインに飽きてしまったりする可能性も考えられます。子どもの成長を考慮した助言をしてあげることも親の重要な役割です。

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コストパフォーマンスを考慮する
ランドセルの価格帯は1〜2万円台のものから7〜8万円を超えるものまで非常に幅広いですが、必ずしも高ければ良いというわけではありません。お子さまの体型や使用環境、好みに合ったものを選ぶことが大切です。
メーカーによっては、早期予約割引や展示会限定の特典などを活用することで、よりお得に購入できる場合もあります。購入先やタイミングを工夫しながら、コストパフォーマンスの良い選択をしてみてください。

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ランドセルのお下がりに関するよくある質問
お下がりのランドセルについて、よくある質問とその回答をまとめました。
Q:お下がりのランドセルを6年間使い続けることはできますか?
難しいです。長期間使用したランドセルは、見た目以上に劣化していることが多くあります。肩ベルトや金具の緩み、背あて部分のへたりなど、機能面で支障をきたすケースも少なくありません。
さらに注意すべきなのが、主要素材として広く使われる人工皮革の寿命です。一般的に約10年で劣化が進むとされ、経年によって耐久性や機能性に限界が訪れ、ひび割れや剥がれにつながる可能性があります。
Q:ランドセルを相場よりも安く購入する方法はありますか?
前年度モデルやアウトレットで販売される上位モデルの型落ち品であれば、相場より大幅に安く購入できます。ただし、購入の際は修理保証などアフターサービスの内容を必ず確認しておきましょう。
Q:使わなくなったランドセルを有効活用する方法はありますか?
使わなくなったランドセルは、以下のような方法で活用することができます。
- 小物入れやペンケースにリメイクする
- 海外の子どもたちへの支援として寄付する
- 記念品として保管する
昨今はランドセルを寄付する活動が広がっており、毎年たくさんのランドセルが発展途上国の子どもたちの教育支援に役立てられています。専門業者によるリメイクサービスも充実しており、思い出を形を変えて残すことが可能です。
6年間使い続けるランドセルは新しく購入するのがベスト
物価高による家計への負担やSDGsへの意識の高まりから、お子さんのランドセルに「お下がり」を検討するご家庭も少なくありません。しかし、実際にはお下がりのランドセルは経年劣化が進みやすく、6年間の使用には耐えられないケースが多いのが現実です。そのため、お子さんに安心して通学してもらうためにも、新品を購入することをおすすめします。
予算が気になる場合は、アウトレット品や前年度モデルを選ぶのも一案です。相場より安く購入できるため、品質を確保しつつ費用を抑える選択肢として検討してみると良いでしょう。

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