小学生の通学にとって、ランドセルは欠かすことのできない存在です。しかし、ランドセルを背負って通学することは、体の小さな小学生にとって大きな負担となり、肩や背中の痛みが出たり、姿勢が悪くなったりしてしまうかもしれません。

実際に、重すぎるランドセルが子どもの心身に影響を及ぼしているとの指摘もあり、その代表的な例が「ランドセル症候群」です。

本記事では、デザインや見た目だけでなく、背負いやすいランドセルを選ぶことの重要性について詳しく解説します。毎日の通学が快適で楽しいものになるようにするために大切な情報を紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

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背負いやすいランドセルを選ぶことが大切な理由

ランドセルは、多種多様なバリエーションがあり、デザインや見た目の好みを重視して選ぶことが多いです。ランドセルに愛着をもって使い続けるためには重要な要素ですが、それ以上に背負いやすさを考慮することが欠かせません。

なぜ背負いやすいランドセルを選ぶことが重要なのか、その主な理由を3つ紹介します。

毎日の通学における安全性と快適性を高めるため

ランドセルは6年間、ほぼ毎日使う通学のパートナーです。体にフィットしないランドセルは、歩くたびに左右に揺れて重心が不安定になり、バランスを崩して転倒するリスクを高めます。

また、体にフィットしないランドセルは必要以上に負荷をかけてしまい、肩や腰に痛みが発生するリスクもあります。毎日使うランドセルだからこそ、小さな積み重ねが通学中の安全性や快適性に大きな影響を及ぼすのです。

学習意欲や学校生活への満足度を維持するため

「ランドセルが重い、痛い」といった身体的な不快感は、子どもにとって大きなストレスです。通学だけで疲れてしまい、教室に着く頃にはぐったりして、授業への集中力が低下してしまうことも考えられます。

また、その不快感が原因で、学校へ行くこと自体が億劫に感じられるようになる可能性もゼロではありません。体への負担が少ない快適なランドセルは、子どもが毎日元気に、前向きな気持ちで学校生活を送り、学習に集中するための大切な要素です。

これらのように、ランドセルが体にフィットしないことが原因で引き起こされるさまざまな不調を「ランドセル症候群」と呼ぶこともあります。ランドセル症候群については、次章で詳しく解説します。

ランドセル症候群とは?

ランドセル症候群とは、小学生が自分の体に合わない重さや大きさのランドセルを背負って通学することで、心身に様々な不調が生じる状態を指す言葉です。近年、教科書のページ数増加やタブレット端末の導入など、ランドセルの内容物が増え、その総重量が子どもにとって過度な負担となるケースが目立つようになりました。

このような現象が問題視され、メディアや専門家が問題提起する中で、世間にわかりやすく知ってもらうために、大学教授と整形外科医によって「ランドセル症候群」と命名。ランドセル症候群は、正確には病名ではなく、ランドセルの総重量が重いことが要因で引き起こされる心身の不調をまとめた名称です。

ランドセル症候群の症状

ランドセル症候群の症状には、身体的な不調だけでなく、精神面への悪影響も含まれています。ここでは、ランドセル症候群の症状について、身体面と精神面でそれぞれ詳しく解説します。

ランドセル症候群の身体面の症状

身体的なランドセル症候群の症状は、主に以下の通りです。

  • 肩や首の痛み
  • 背中や腰の痛み
  • 頭痛やめまい
  • 猫背や巻き肩などの姿勢悪化

肩や首の痛み

ランドセル症候群で最も多く見られるのが、肩や首の痛みやこりです。重いランドセルが肩ベルトを介して肩に食い込み、首から肩にかけての筋肉に継続的な負担がかかることで発生します。

特に、肩甲骨周辺の僧帽筋や肩甲挙筋が緊張し、血行不良を引き起こすため、鈍い痛みや張りが生じます。子どもは大人と比べて筋力が弱く、体が小さいので、体重に対するランドセルの割合が大きくなり、このような症状を発症しやすいです。

背中や腰の痛み

ランドセルの重さが体全体にかかることで、背中や腰にも大きな負担がかかり、痛みやだるさを引き起こすことも、ランドセル症候群の症状の1つです。特に、重心が後ろに引っ張られることで、バランスを取ろうとして体が前傾姿勢になり、猫背になることがあります。

この姿勢が続くと、背骨や腰椎に不自然な力が加わり、筋肉や関節に炎症が起きやすくなります。また、ランドセルを下ろした後も背中や腰の痛みが残ることがあり、ひどい場合には日常生活にも支障をきたすこともあるでしょう。

頭痛やめまい

肩や首の強いこりが原因で、頭痛やめまいが発生することもあります。首の筋肉の緊張は、頭部への血流を悪化させたり、神経を圧迫したりすることで、緊張型頭痛を引き起こす要因となるでしょう。

また、首の周りには平衡感覚に関わる神経も通っているため、過度な負担がかかることで、ふらつきやめまいを感じる場合もあります。特に、ランドセルを下ろした際にこれらの症状を訴える場合は、ランドセル症候群である可能性が高いです。

猫背や巻き肩などの姿勢悪化

ランドセルの重さに引っ張られることで、子どもは無意識のうちに重心を前にしようと体を丸め、猫背になる傾向があります。同時に、肩が内側に入り込む巻き肩も引き起こされがちです。

これらの姿勢が習慣化すると、背骨の生理的弯曲が失われ、将来的な姿勢不良や体の歪みにつながる可能性があります。ランドセルを背負っている時だけでなく、普段の生活でも姿勢が悪くなってきたと感じたら注意が必要です。

ランドセル症候群の精神面の症状

ランドセル症候群の精神的な症状としては、以下のものが挙げられます。

  • 学習意欲の低下
  • 通学への憂鬱感

学習意欲の低下

ランドセル症候群による身体的な痛みや慢性的な疲労感は、子どもの集中力や学習意欲に大きな悪影響を及ぼします。肩や首、背中の痛みがある状態では、授業中に座っていること自体が苦痛と感じるかもしれません。

そのため、先生の話に集中できなかったり、板書を写すのが億劫になったりすることもあるでしょう。また、常に体がだるい状態だと、思考力や判断力も低下しやすく、学習への意欲そのものが薄れてしまうケースも見られます。

通学への憂鬱感

ランドセル症候群の身体的な不調が続くと、子どもは学校へ行くこと自体に憂鬱感を抱くようになることがあります。毎日のように肩や背中の痛みを感じながら重いランドセルを背負い、長い通学路を歩くことは、子どもにとって大きな負担です。

この身体的な苦痛が精神的なストレスとなり、「また明日もあの重いランドセルを背負うのか」と考えるだけで気が重くなるケースも少なくありません。

身体にフィットするランドセル選びのポイント

身体にフィットするランドセルを選ぶためには、以下のポイントをしっかりチェックすることが重要です。

  • 肩ベルトや背あての形状を確認する
  • 実質重量よりも体感重量を考慮する

肩ベルトや背あての形状を確認する

肩ベルトや背あての形状は、各ランドセルメーカーやシリーズによって特徴があります。子どもの体格や骨格タイプによってどの形状が体にフィットして背負いやすく感じるかが変わるため、実際に背負ってみて適切なタイプを見極めましょう。

ごとうじゅうランドセルでは、肩ベルト3種類、背あて2種類の形状のバリエーションがあり、子ども一人ひとりに合わせて最適な組み合わせのランドセルを選ぶことが可能です。実際に試着したり背負ったりしながら体にフィットするランドセルを選ぶことができるので、ぜひお気軽にご相談ください。

カスタマイズオプション

実質重量よりも体感重量を考慮する

ランドセル症候群はランドセルが重いことで起きるため、軽いランドセルの方が発症リスクは低いといえます。しかし、ここで重要なのが、カタログに記載されている実質重量よりも、実際に背負ったときに感じる体感重量が軽いランドセルを選ぶということです。

ランドセルの設計や形状によっては、実質重量よりも軽く感じたり、反対に重く感じたりすることがあります。体感重量が軽いということは、ランドセルが体にフィットして負担が分散しているため、ランドセル症候群になるリスクが低いということです。

もちろん実質重量を確認することも大切ですが、実際にお子さまが背負ったときに感じる軽さや安定感を重視してあげましょう。

ランリュックとランドセルはどっちがおすすめ?

ランドセルの重量を軽減するため、ランドセルと同じ構造でリュックのように軽い素材で作られた「ランリュック」というものがあります。ランドセルと比較して軽量で子どもへの負担が少ないとして注目されていますが、実際にはどうなのでしょうか。

ランリュック自体の平均的な重量は約700~1,000g程度となっており、ランドセルの平均的な重量は約1,100~1,300g程度と比較すると、確かに軽量です。しかし、ランリュックは肩ベルトの付け根が立ち上がっていないものがほとんどで、重心が低くなりやすい傾向があります。

重心が低いと肩や腰に負担がかかりやすくなり、結果的にランドセルよりランリュックの方が身体に負担がかかるリスクがあるため、注意が必要です。

子どもにやさしいランドセルならごとうじゅうランドセル

ごとうじゅうランドセルは、本当に子どもやさしいランドセルを追求して、肩ベルトや背あての形状をカスタマイズできるランドセルを提供しています。3種の肩ベルトと2種の背あて形状の中から、子どもの骨格に合わせて最適な組み合わせを選んでいただくことが可能です。

カスタマイズオプションの詳細

正しいランドセル選びで快適な通学を

ランドセル症候群は、子どもの小さな体に重いランドセルが負担をかけることで生じる心身の不調です。肩や背中の痛みといった身体的な症状だけでなく、学習意欲の低下や通学への憂鬱感など、精神面にも影響が及ぶ可能性があります。

ランドセル症候群にならないためには、体にフィットするランドセルを選ぶことと、正しく背負うことが非常に重要です。今回紹介したランドセル選びのポイントや正しい背負い方を理解して、ランドセル症候群にならないようにしっかり対策しましょう。

ごとうじゅうランドセルは、ランドセルの背負いやすさや体感重量を左右する肩ベルトと背あての形状を、お子さまに体型や骨格に合わせてお選びいただけるカスタマイズオプションを提供しています。実際に試着してフィット感を確かめることができるので、ぜひショールームまでお越しください。

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