ランドセルは、子どもの小学校卒業とともに不要になりますが、その処分方法に悩む人は少なくありません。捨てるのはもったいないと思う方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、使わなくなったランドセルの処分方法4選と、処分時の注意点について解説していきます。気になる処分のタイミングについてもまとめているので、あわせてチェックしてください。

使わなくなったランドセルの処分方法4選

役目を終えたランドセルを処分する方法は、主に以下の4つが考えられます。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

寄付する

使用済みのランドセルは、国内外の子どもたちへの支援として寄付することが可能です。日本では、NPO法人や企業などがランドセルを集め、国内のひとり親家庭や海外の子どもたちにランドセルを届けています。

寄付にあたっては、輸送費や寄付金として、2,000円前後の費用が発生するのが一般的です。また、いつでも寄付できるわけではなく、基本的に受付時期が限定されているので、事前に公式サイトで募集期間を確認しましょう

また、豚革製や、汚れ・破損のひどいランドセルは、寄付の対象にならない可能性があるため注意が必要です。

リメイクする

近年は、ランドセルのリメイクサービスも人気です。たとえば、以下のようなアイテムに作り変えられ、SNSでも話題になっています。

  • 財布
  • パスケース
  • キーホルダー
  • ミニランドセル など

費用はサービスによって異なりますが、1万円~2万円ほどで複数のアイテムに加工できるプランが多く見られます。ランドセルメーカーのほか、ハンドメイドサイトなどで依頼することが可能です。

子どもへのプレゼントとして人気ですが、加工には2か月~3か月かかるケースが多いので、余裕をもって依頼しましょう。

処分する

ランドセルを処分する場合は、まず分類を確認しておきましょう。多くの自治体では「可燃ごみ」に該当する場合が多いものの、地域によっては不燃や粗大ごみとして扱われることもあります

一辺の大きさが30cmを超えた場合には粗大ごみになるなど、自治体によってルールが異なるため注意が必要です。また、金具をできるだけ外すといった決まりがあるケースもあるため、処分方法については自治体に問い合わせるのが確実です。

フリマアプリなどで売る

ランドセルは、ネットオークションやフリマアプリで販売することもできます。1,000円~3,000円ほどで売られているケースが多いものの、有名メーカーや状態の良いものは1万円前後の価格で取引されるケースもあります

出品時には、以下の点を詳しく記載するなど、売れるための工夫が必要です。

  • 使用年数
  • 傷・汚れの有無
  • 箱や付属品の有無

ノーブランドや傷が目立つ場合でも、工作材料として購入されることがあるため、試しに出品してみるのもよいかもしれません。

ランドセルを処分するときの注意点

ランドセルを処分する際は、どの方法を選ぶにしても個人情報の取り扱いに注意する必要があります。また、処分方法によってかかる費用も異なるため、事前に把握しておくことが大切です。

以下、ランドセルを適切に処分できるよう、これらの注意点を詳しく解説していきます。

個人情報の取り扱い

ランドセルには、子どもの名前や住所が書かれたものがそのまま残っていることがあります。これらを確認せずに手放すと、個人情報の流出リスクが生じるため、注意が必要です。

とくに、寄付や売却で第三者の手に渡る場合は、必ずこれらの情報を取り除いて、個人を特定できないよう対処してください。ただし、名前を消すためにランドセルを削ったり、切り取ったりすると、寄付や売却は難しくなります。

処分費用を確認

ランドセルを捨てる場合、可燃ごみに該当すれば費用はかかりませんが、粗大ごみや処理センターへ持ち込む場合には回収費用が発生します。また、フリマサイトなどでの売却や寄付、リメイクでは以下のような費用が発生するのが一般的です。

  • フリマサイトなど:プラットフォーム利用料+送料
  • 寄付:輸送費や寄付金
  • リメイクサービス:加工代金+送料

ゴミとして捨てるのが一番安く処分する方法ですが、手間を惜しまず、わずかでもプラスにしたい場合は売却がおすすめです。

むやみに送りつけない

寄付できるからといって、いきなり団体や施設へランドセルを送るのは避けましょう。多くの寄付団体では、受付期間や受け入れ条件を定めています。

たとえば、基準に満たなかったり破損したりしているものや、募集していない時期に送られたランドセルは目的地へ送ることができず、団体側が処分に困る可能性があります。必ず事前に公式サイトで条件を確認し、正式な手順で申し込みを行ってください。

ランドセル処分のタイミング

ランドセルを処分するタイミングがわからない、という方は少なくありません。子どもと親とで思い入れも違うため、意見が合わずに処分する時期を逃してしまうケースもあります。

ここでは、ランドセルを処分しやすいタイミングについて解説します。

小学校卒業後

小学校卒業は、最もランドセルを処分しやすいタイミングです。中学に進学すれば使用するバッグが変わるため、もうランドセルの出番はありません。

また、卒業祝いのプレゼントとしてリメイクサービスを活用できるため、すんなり手放せるのもこの時期の特徴です。ランドセルを長期間放置すると劣化してしまいますが、卒業直後はまだ状態が良いケースが多いため、寄付や売却による再利用も検討しやすいでしょう。

各進学のタイミング

進学によって生活環境が変わるタイミングも、ランドセルを手放せる機会です。学年が上がる際は、教科書やノートをはじめとした、それまでの学用品を処分する家庭が増えます。

このときランドセルも一緒に捨てることが多いほか、必要なものにリメイクするケースも見られます。時期を見計らってリメイクを検討している場合は、直射日光を避け、風通しの良い場所で保管するなど、保存に気を配る必要があります

実家を離れるとき

大学進学や就職など、子どもが実家を離れるときは、ランドセルを処分しやすいタイミングです。家を出るときは、ランドセルを含めたかつての学用品や、思い出の品が処分対象になります

ランドセルは思い出深い品のため、気持ちの整理ができるまでに時間がかかることも珍しくありません。子どもが実家を離れるタイミングでの処分は、親にとっても良い機会といえるでしょう。

ランドセルの処分方法は親子で話し合う

ランドセルは、子どもが6年にわたって毎日使ってきた思い出のアイテムです。そのため、処分のタイミングや方法は親だけで決めず、子どもと話し合って決めることが大切です。

卒業とともに必要ないと感じる子もいれば、「捨てるのは寂しい」「記念にとっておきたい」という思いになる子もいます。もし親が勝手に処分してしまえば、子どもの気持ちを傷つけかねません

また、リメイクや寄付などの手段を一緒に考えれば、モノへの感謝や社会とのつながりを学ぶ機会にもなります。時間をかけて話し合い、納得のいく処分方法を見つけましょう。

思い出のランドセルは適切に処分しよう

ランドセルの処分には、捨てる、寄付する、売る、リメイクするといった方法が考えられます。それぞれにメリットがあるため、じっくり考えて最適な方法で処分しましょう。

ランドセルをゴミとして捨てる場合には、自治体のルールに従って適切に処分してください。また、寄付や売却のように第三者に譲る場合は、トラブルを避けるため、個人情報の取り扱いに十分注意する必要があります。

処分するタイミングは家庭によって異なりますが、親だけで決めず、子どもとよく話し合って決めることが大切です。